豆花を知っていますか? 台湾で人気のデザートで、絹ごし豆腐をさらに柔らかく、なめらかにした豆腐に甘いシロップやお汁粉などを組み合わせて食べます。台湾では暑い夏にはかき氷と合わせ、寒い冬には温かいシロップや豆類、白玉などと一緒に食べています。
台湾で作られる豆花
通常の豆腐は豆乳へ塩化マグネシウムが主成分となるにがりを加えて固めます。
豆花の場合は硫酸カルシウムが主成分の食用石膏やゼラチン、寒天などが使用されていて、通常の豆腐とは少し違う食感となります。
豆花を家でも作れる魔法の粉
台湾では豆花を家でも作ることができるという粉が「豆花粉」等という名称で何種類か売られています。この粉を使用すれば台湾まで行かなくても食べたいときにいつでも豆花を作ることができるのです!
というわけで、今回は台湾の天然食品企業社という会社が作っている福杯豆花粉を入手し、家でいつでも豆花を楽しむ事ができるか試してみました。
福杯豆花粉について
写真のように少しノスタルジックなパッケージの福杯豆花粉。台南にある天然食品企業社によって製造されています。
福杯豆花粉の成分は馬鈴薯でんぷん、硫酸カルシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウムとなっていて、メインの凝固剤にでんぷんと硫酸カルシウムを、食感を調節するために添加剤をそれぞれ使用しているようです。
福杯豆花粉を使った豆花の作り方
福杯豆花粉のパッケージ裏に書いてある材料と作り方の説明を読んでみましょう。
材料と作り方
- 豆花粉 80グラム
- 大豆370グラムを洗った後、季節に応じて水に浸けておく(4~7時間)
- 水3000cc(豆乳用)
- 水250cc(豆花粉用)
- 水に浸けておいた大豆を3000ccの水と合わせて挽きます。大豆を絞って豆乳をつくり、鍋で煮て泡を取り火を止めます
- 250ccの冷たい水に豆花粉を沈殿しないように混ぜ、3000cc以上入る容器(油分が付いていないこと)を準備します
- 豆乳が85度くらいになったら、勢いよく豆花粉を溶いた容器に豆乳を注ぎます。注いだ後は混ぜてはいけません。20分ほど静かに置いておきます
まず材料から・・・水3000cc?大豆を絞って豆乳を作る??
家庭用にかんてんぱぱの簡単にできるゼリーシリーズのような商品を想像していたので、いきなり3Lの水が材料に書いてあってびっくりしました。しかも作り方を見ると豆乳から自家製するようです。
分量的にも手順的にもちょっと日本の家庭ではお手軽にできるレベルではないので、日本でも手に入りやすい無調整豆乳を使用するようにアレンジしてみます。
材料と作り方(日本の家庭用に調整)
- 豆花粉 13グラム
- 無調整豆乳500cc
- 水50cc
- 豆乳を鍋で温めます
- 50ccの冷たい水に豆花粉を沈殿しないように混ぜ、600cc以上入る容器(油分が付いていないこと)を準備します
- 豆乳が85度くらいになったら、勢いよく豆花粉を溶いた容器に豆乳を注ぎます。注いだ後は混ぜてはいけません。20分ほど静かに置いておきます
福杯豆花粉を使って実際に豆花を作ってみた
鍋に豆乳を入れて温めます。今回は豆腐もできる無調整豆乳を使ってみました。
メレンゲを作るときのように油分が残らないようにきれいに洗ったボールを準備し、豆花粉を溶かしました。
豆花粉は片栗粉が主成分なので、水には溶けずしばらくすると沈殿してしまいます。豆乳を入れる直前に混ぜると良いでしょう。
豆花粉の水に温めた豆乳を一気に投入します。説明書をよく理解せずに、ここで混ぜてしまったのが後々惨事を生んだのかもしれません。
豆花を観察してみると、豆乳をいれた直後から早くも豆花がぽよぽよとしたゼリー状になります。
豆花粉で作った豆花を試食
20分経ったので食べてみました。表面はゼリーというかババロアのように固まってはいますが、内側がどろどろになって完全に豆腐にはなっていません。
豆花は薄くすくって容器に盛り付けるのですが、今回作った豆花はカスタードクリームの様なもったりとした状態で豆花と言っても信じてもらえない何かとなってしまいました。
しかも、豆乳を入れたときに混ぜてしまったのが原因か、豆花のつるつる食感とは対局のツブツブでザラザラした食感があります。さらに日本の無調整豆乳は豆の風味が強く濃いので、はっきり言っておいしくありません。
黑八宝粥の助けを借りる
豆花らしく電鍋で温めた八宝粥をトッピングしてみます。
甘い八宝粥が添えられれば豆乳の豆臭さが若干抑えられ、何とか食べられるレベルにはなります(でも食感が悪い)。作っている時は500ccで少ないかと思ったのですが、これを500cc食べきるのは正直つらい。
ほぼ豆腐なのでポン酢で
このままでは確実に余ってしまうコースなためポン酢をかけてみました。ほぼ豆腐なのだからおぼろ豆腐みたいなイメージでおいしく食べられるだろうという作戦です。
不味い。
不味いものは何やっても不味い。食感と味のミスマッチはどうしても消すことはできませんでした。
次回への課題
初のおうちで豆花は失敗に終わったので、次回へ向けての改善点を考えてみます。
薄い無調整豆乳を使う
日本の豆乳は台湾のdoujianと比べると濃いです。濃厚でしかも豆の味が強いので、水で薄めるかサラサラタイプの豆乳を使うと良いかもしれません。
豆乳を入れるときは混ぜない
豆花粉は沈殿しやすいため、かき混ぜつつ豆乳を入れてしまったのがツブツブでザラザラの食感を生んでしまったのかもしれません。豆乳を入れる際には攪拌禁止です。
今回は失敗しましたが、おうちで豆花の野望を達成すべく次回もう一度挑戦します。
他にも台湾の食べ物を自宅で作ってます
台湾の夜市に有る屋台で売られているおやつの個人的ナンバー1が地瓜球です。サツマイモとデンプンで作るカリカリモチモチなおやつ。揚げたてを独占したい場合は自宅で作ってしまいましょう。
業務用スーパーには台湾製の蔥抓餅が売られています。幾重にも重ねられた小麦粉の生地にネギが練りこまれ、フライパンで焼いた後にサクサクふんわりになるよう箸で引っ掻きます。
今回使ったブランドではないのですが、豆花粉はAmazonでも購入することができます。
豆花だけではさみしい場合には缶詰の花生仁湯(甘いピーナツスープ)をトッピングしてはどうでしょうか?
八寶粥もAmazonで買うことができます。これもおすすめ。
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