現代の日本では西暦(キリスト紀元暦)と和暦(元号)が主に使用されています。
では台湾ではどのような暦が使われているのでしょうか?調べてみました。
台湾では暦が3つ使用されている
台湾で主に使用されている暦は3つあります。
- 西暦(キリスト紀元暦)
- 民国暦(中華民国暦)
- 農曆(旧暦)
西暦は日本および世界で広く使用されているので置いておいて、ほかの二つはあまり馴染みのないものです。
民国暦(中華民国暦)
民国暦は中華民国が辛亥革命で誕生した1912年を元年とした暦で、西暦とは1911年の差があります。
西暦 – 1911 = 民国暦
つまり、西暦2019年は 2019 – 1911 = 民国108年となります。
民国暦は台湾の中では国内の公式な書類や一部の新聞などでかなり広く使われていて、台湾で使われるカレンダーにも民国暦が印刷されています。
台湾人はほぼ全員民国暦を理解できて、中には頭の中は民国暦だけで考えている人もいるみたいです。数字3文字だけで表せるので、スペースが足りない時に民国暦を使うと便利かもしれません。
農曆(旧暦)
農暦(旧暦)は古代中国で発明された月の満ち欠けを元にしたカレンダーで、中国から周辺諸国へ伝わったため、東アジア一体や日本、そのほかの国々でもその影響を受けた文化行事が続いています。
台湾の生活では農暦はかなり重要なので、台湾で使用されているカレンダーには必ず農暦が印刷されています。さらに、台湾には民国暦、農暦を表示する電子時計も結構売られています。
さらに、iPhoneも言語選択で台湾を選ぶと待ち受け画面やApple純正カレンダーに農暦が表示されます。
台湾の農暦は生活にかなり密接に関わっている
農暦は日本人からすると旧暦なのでそれほど重要ではないと思ってしまうかもしれませんが、台湾人の生活にはかなり密接に関わってきます。
お正月の時期が毎年異なる
農暦のいちばんの特徴は西暦と比較すると毎年お正月(農暦1月1日)の日付が毎年異なることです(農暦ベースで見れば西暦の方が毎年お正月が変わっているように見えるのかもしれませんが)。
そのため、台湾のお正月 = 春節のように農暦内で決まっているイベントが祝日となる場合、毎年祝日の日付が変わってきます。
1ヶ月は29日間か30日間
ちょっと待ってください。そうすると西暦での1年の日数365日に足りなくなってしまいます。そのため日付の解離が大きくなってくると閏月で調整するため、例えば7月をもう一度と言うように同じ月を繰り返すことになります。
2020年には農暦の閏月として4月が2回あります。
そのように調整をしていくと、ほぼ19年に一度同じ日付が西暦と合致することになるようですが、これも結構例外があるようで、ある期間は絶対一致しなかったり、年によっては一日ずれたりする事もあります。
台湾人は誕生日が二つある
台湾人には西暦と農暦で誕生日が二つあります。西暦は友達や家の外で使用し、農暦は家族内で使用します。友達からは西暦の誕生日にプレゼントをもらい、家族からは農暦の誕生日に誕生日プレゼントを受け取ることが多いようです。時には西暦と農暦で誕生日プレゼントの二重取りなんてことも・・・。
お参り(拜拜)の日取りを決める
台湾人の多くが重要視しているのがお参り(拜拜)です。神様にお供えをして商売や健康について様々な御願い事をする日付を決めるのが農暦です。日本人は初詣に行った時くらいにしかお参りしませんが、台湾では回数が違います。家で商売をしている場合にはなんと毎月平均2回は拜拜があります。
さらに追加で春節、おじいさんおばあさんの命日、端午節、鬼月の初め(7/1)、七夕、中元節(お盆)、中秋節などなどたくさんあります。
熱心な人は神様の誕生日ごとに拜拜をするので、神様の数だけ拜拜しないといけません。キリがありませんね。
台湾に旅行する際には農暦にも注意を
台湾に旅行する際には農暦にも注意すると良いでしょう。いくつかの祝日や連休は農暦を元に決まってくるので、観光地が混み合う時期が毎年変わってきます。
祝日にはならずとも大きなお参りがある際には街中が普段と違った様子になることもあります。これは地区ごとに大きなお参りの日付が決まっていて、例えば、新北市の三重区では農暦4月26日が神農大帝の誕生日なので、前日の農暦4月25日と当日26日には大きな拜拜が開かれます。近年はだんだん少なくなってきているようですが、付近は大混雑してバスが遅れたりすることも有ります。
台湾政府が公開しているカレンダー
毎年祝日カレンダーを作って公開しているので確認すると良いでしょう。お役所仕事のためかウェブページがちょっと使いにくいですが、祝祭日を確認することができます。
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